ムコ多糖症は、正式にはムコ多糖代謝異常症といいムコ多糖(アミノ糖を成分にもつ多糖の一群)を分解する酵素が、生まれつき欠けていることにより、全身(特に皮膚、骨、軟骨などの結合組織)に ムコ多糖の切れ端(デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸、ケラタン硫酸)が蓄積し、種々の臓器や組織が次第に損なわれる進行性の病気です。
種々の程度の知的障害を伴い、ほとんどは進行性で、成人に達するに死亡する型もあります。主な症状は、著しい骨の変化、短い首、関節が固くなる、粗い顔つき等です。その他、角膜混濁、難聴、肝肥腫、心臓疾患、低身長などの症状がみられます。
残念ながら、ムコ多糖症の根本的な治療方法は、現在のところないようです。対処的に、外科的手術や投薬のよる症状の緩和が行われています。
★一部の型では、骨髄移植や臍帯血幹細胞移植が行われ、肝臓・脾臓・結膜・脊髄液のムコ多糖の蓄積は改善し 上気道の閉塞・難聴・心不全・不整脈に改善がみられます。しかし、脳・骨・心臓弁・角膜の汚濁に対する改善は、期待できません。これれの移植は、大量の抗がん剤や放射線の照射を伴うため 心臓・肝臓に重篤な疾患が出た後では 大変な危険を負うこととなります。
★他の代謝異常症で効果をあげている酵素補充療法があり、アメリカなどで行われていますが、日本では、まだこれからの段階です。
★最近注目されている遺伝子治療は、まだ研究段階といいながら 各種モデルで検証作業が進められています。MLD、Fabry、Krabbeでは、AAV等のベクターを用いたマウスでの結果は、良好であり安全性の確認後 数年後には人への期待も大きい。遺伝子治療は、これまで期待できなっかった脳への効果を期待されています。


